70第6節 東日本大震災と危機管理繰り返していた政府の姿勢とマスコミの伝え方が改めて問題視された。 現地応援取材と四国4局の震災特番制作 民放各局は、系列あげての支援体制をとった。日本テレビ系列では、発災直後200人態勢で取材にあたった。南海放送の取材班は、3月12日には関東圏で愛媛県の関連企業の被災状況を取材し、14日には別班が岩手県釜石市の被災現場に入り自衛隊の捜索活動を追った。系列局のテレビ岩手は、地震発生日から1週間近くに渡りゴールデンタイムで特番を放送し、さらに午前中に1時間の特番を3週間続けていた。その中では、被災者が「私は無事ですよ」と伝えるビデオメッセージを放送していた。南海放送では、宮城県で仮設住宅や行方不明者の合同葬儀なども取材した。 震災発生から3ヵ月後の6月11日(10:30-11:25)にNNN系列四国4局(南海放送、西日本放送、高知放送、四国放送)の共同制作で『大地震から命を守る~東日本大震災から何を学ぶか~』を放送した。大地震から命を守るにはどのような取り組みが必要かをテーマに、愛媛からは伊方原発の安全性の検証、県都水没も起こりうるとされる高知からは避難計画の見直しなど、各県からテーマを持ち寄って構成した。 南海放送は、NNN系列の福島応援取材にいち早く参加した。責任取材エリアに伊方原発を持つという地域性が、四国の系列局で最も早く応援取材に踏み切った背景にあった。第1班として、報道部の三谷隆司局次長、御手洗充雄記者、映像センターの城下雄大部長が、7月末に福島におよそ1週間の日程で入った。福島中央テレビの取材活動をサポートして稲作への放射線の影響調査や、子どもたちへの放射線被害防止を自治体へ要請する親たちなど、原発事故関連の取材にあたった。発災後5ヵ月を経ても、東京電力の記者会見が朝、昼、夜の3回行われ、24時間体制の対応が続いていた。 9月、10月にも福島に入った。10月に日本テレビは「屋外
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