南海放送60年史
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40第1節 河田社長就任とデジタル化推進家電エコポイント  デジタル受信機の普及を加速させたのは、2009年5月から実施された家電エコポイント制度だった。省エネ効果の高いエアコンや冷蔵庫、デジタルテレビの購入者に換金性の高いエコポイントを与えるというもので、受信機は爆発的に売れた。2010年12月までに、累計出荷台数が最終目標の1億台を超えた。また、既存のアナログテレビで地上デジタルテレビ放送を見ることができる簡易チューナーも開発された。デジタル受信機の価格破壊も急速に進んだ。 2011年7月24日でアナログ放送終了  2009年になると、アナログ画面での終了告知が順次強化された。まずは、1月からアナログ放送の画面右上に「アナログ」のロゴマークが常時スーパーされた。続いて、2010年7月から画面を縮小するレターボックス化が行われた。2011年7月1日からは、アナログ画面には、7月24日でアナログ放送終了の告知スーパーを常時表示した。 スケジュール通り2011年7月24日の「アナログ放送停波の日」を迎えた。アナログ放送終了時刻である正午に通常の番組を終了し、ブルーバックと告知スーパーに切り替えた。 そして、23時59分、メディア戦略部の乗松義弘部長と二宮以紀副部長が城山のアナログ親局を停波させた。同時に県内にある61局のアナログ中継局も自動的に停波し、53年間にわたるアナログ放送が終了した。 当時の「経営情報第1694号」に、乗松部長は「親局を停波させることは一生に一度の経験。自ら手がけた機器であり、感慨深い気持ちを噛みしめながら停波させた」と記している。 当日、南海放送にかかってきた視聴者からの問い合わせ電話は1件で、静かな切り替えになった。 

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