南海放送60年史
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7[社史 第2部] 第1章 地上デジタルテレビ放送開始悩み、都市部と地方経済の地域格差も拡大した。 2006年度の決算は、ラジオ、テレビとも売上高が前年度比で92%台の落ち込みになった。デジタル放送開始に伴う減価償却費の増大(8億円・前年度比255.7%、4億87百万円増)もあって、赤字決算になった(当期純損失2億37百万円)。翌2007年度決算は、減価償却費が11億円に達したが、道後樋又の旧本社売却益等を計上し、59百万円の当期純利益を確保した。 無線中継所の新設  デジタル化に伴い、松山から南予一帯へ効率良く伝送できる安定したマイクロ中継基地として、壺神山無線中継所(伊予市双海町)を開設した。第1号のデジタル化設備投資として2002年1月に造成工事を始め、2003年3月に受信基地として運用を開始した。デジタル化に伴い、松山から南予一帯へ効率良く伝送できる安定したルートとして開設した。 東予地域へのアナログ番組伝送は、石鎚山系の堂ケ森に設置された反射板を経由して行われていた。しかし、デジタル化にあたって総務省が「原則反射板は認めない」と規定したことと、反射板伝送では技術基準をクリアできないことを受けて、東予地域についても新たに無線中継所を建設することになった。 松山市と西条市を隔てる窓峠の山中で、行道山の親局と新居浜テレビ局が見通せる場所を見出し、テレビ愛媛と鉄塔・局舎を共建した。道幅2メートルの急傾斜の林道しかないため、クローラー車を利用して機材を搬入するなど、困難な工事になった。 NHKと他の民放2局は楢原山に無線中継所を建設したが、当社は先行して窓峠に無線中継所を開発していた電源開発株式会社の運用実績を評価し、窓峠を選定した。窓峠無線中継所は2007年2月に運用を開始し、翌3月から新居浜地区で、また6月には川之江地区でデジタル放送が始まった。壺神山無線中継所

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