南海放送50年史
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ネットワークへの参加社が増え、これらローカル社が力をつけるにつけネットワークニュースが強化されつつあった。そうした状況とキー局の系列強化策を背景にしながら、1966(昭和41)年4月1日、日本テレビ系列の19社が参加して「日本ニュースネットワーク」(NNN)が結成された。「我々はテレビ放送事業本来の使命による報道機能の強化向上に協力し、ニュースおよび報道番組の共同制作を原則とし、その質的向上、内容の充実を図り、量的増強を期し、相互間の取材提携を緊密にし、ネットワークの強化を実現するため本協定を締結する」NNN協定は前文でこのように述べ、取材、ニュースのネット、経費の分担などについて取り決めている。このNNN体制のもとで1966(昭和41)年10月31日から午後0時30分に30分間のワイドニュースが誕生した。その直後におきたYS-11墜落事故に対するわが社への応援も、NNNの取り組みとして行われたものである。ニュースを前面に打ち出して系列化を進めた東京放送系列はすでに1959(昭和34)年8月、JNN(ジャパン・ニュース・ネットワーク)を結成していたが、NNNについで1966(昭和41)年10月にはフジテレビ系列のFNN(フジ・ニュース・ネットワーク)が、さらに1970(昭和45)年1月には日本教育テレビ系列のANN(オールニッポン・ニュース・ネットワーク)が結成されている。このニュースネットワーク協定の成立を機に、キー局と系列局の提携関係は一般番組や営業ネットに関する業務協定に拡大、ネットワークはキー局を中心とした運命共同体の性格を強めることになる。テレビのカラー放送設備の拡充は創立15周年事業の重点課題に取り上げられた。1964(昭和39)年の東京オリンピックがカラー受像機普及のローカル番組もカラー化へ77第2節 放送システムの近代化

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