南海放送50年史
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代わる放送事業、文化事業による新しい形での地域貢献。デジタル化投資を最小限に圧縮し、収益性を高める収支構造。そして外部も含めた人材の活用、フラットな組織によるスリムな経営体質の3点を強調した。このキーワードを第73期業務計画に盛り込み、各セクションの具体的な事業として取り組んだ。3月の定期異動では組織、機構を一部変更した。テレビセンター、ラジオセンター、報道制作センターの3センターの部制を廃止し、権限を委譲して責任体制を明確化した。センターには担当部長を配置して垣根を取り払い、連携がとりやすいフラットな機構組織とした。また、6月には報道制作センターを放送業務本部に移管して、営業・編成・制作の連携強化を図った。さらに10月には、関連会社の南海放送クリエーションとRNBコーポレーションを統合したほか、情報システム部をRNBコーポレーションに移してコンピュータ事業の拡大を目指すことになった。松友社長は、翌年2004(平成16)年の新年祝賀式で次のように述べた。「これからのデジタル時代に対処していくためには、経営体質のスリム化をさらに進めていかなければならない。そのためには、それぞれの部門での業務の取捨選択を思い切って進め、業務の効率化に知恵を出していただくとともに、外部の人材活用を進めるなど、環境変化に即応した組織改編をさらに進めてまいらなければならないと思っている。そして、肝心なことは、人材の育成である。免許制度に守られ、高度成長を続けてきた民放業界も、多メディア、多チャンネル化、さらにはデジタル化によって競争の激しい市場経済下に置かれることは間違いないと思われる。こういった厳しい環境変化のもとで、会社が新たな発展を遂げるために293第2節 新時代への挑戦新年祝賀式

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