南海放送50年史
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中継局の方向に進めるといううがった見方もある。行政改革と集中排除原則の見直しを絡めて考える必要がある」。また、松友社長は地上波のデジタル化に対するローカル局の対応についても、次のように述べた。「南海放送は、テレビ4局、ラジオは中波とFM2局がある愛媛の民放である。平成に入って多局化が進み、1997(平成7)年に全国で最後に4局化した厳しいエリア事情である。わが社の企業年金は業界でもトップレベルの厚い制度であった。このため、2002(平成14)年はじめから制度改革に取り組み、2002(平成14)年10月から実施することができた。受給者(退職者)の給付額を10%カット、現役は30%カットする制度の改革であり、結果的に退職金の引き下げを実現することができた。ラジオ送信所の施設を利用したサンパークでいろいろな事業を行ってきた。文化事業として成り立ちにくくなってきたこともあって、前期3月決算で減損処理をした。今年10月から年末にかけて主な施設を取り壊すなど思い切った措置をし、税金の節約など経費節減をはかっている。経営基盤の脆弱なローカル民放が半年の売上高に匹敵するデジタル化投資を短期間で行うことは、間違いなく経営の圧迫要因になる。さらにサイマルコストが加わって、経営の舵取り次第では赤字経営、さらには経営破たんも懸念される経営環境が、2006(平成18)年から始まることを考えておかねばならない」。松友勝俊社長は、就任後初の新年祝賀式(2003年1月6日)で、新しいデジタル時代に向かうための3つのキーワードを掲げた。「新しい地域貢献」、「コストミニマム」、「スリムな経営体質」である。本町会館、サンパーク事業など施設事業を縮小し、それに経営体質のスリム化292第7章 地上波デジタル時代へ

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