南海放送50年史
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こうして、デジタル化へ向けた歯車が動き出したのである。新しい情報伝達ツール、携帯電話は発売後1年足らずで、全国で500万台、四国においても30万台を早々に突破した。この新しいメディアにビジネスチャンスを見出そうとする動きが活発化した。この流れの中で、わが社も2000(平成12)年3月17日に、NTTドコモからiモード情報提供者「IP(インフォメーションプロバイダー)」の承認を得た。そして、5月15日午前9時過ぎ、NTTドコモのiメニューの中に南海放送の文字が入った。開設時のコンテンツは、ラジオ・テレビ番組情報、『もぎたてテレビ』のお店検索、天気予報など15項目であった。報道部以外の放送部、テレビ業務部など各関連部署がコンテンツの直接更新を開始した。スタート日の深夜0時までのアクセス数は10,485件と上々の滑り出しであった。2003(平成15)年1月現在のヒット数は1週間で約50万ヒットとなった。ラジオ・テレビ放送との相乗効果を計っており、ラジオでは、『英子のWeekend C@fe』など各レギュラー番組で、投稿テーマを知らせ、モバイルで応募してもらうとともにプレゼントクイズの応募もモバイルで受付ける企画を実施している。テレビレギュラー番組『女子アナ的今コレ!』の携帯サイト(女子アナボイス・コレクションなど)を制作し、番組放送時間以外でも常時、出演者やコンテンツに接触可能な環境を実現するなど、iモードIP事業者としての実績を重ねていった。一方で、携帯電話の即応性を生かそうと、2001(平成13)年2月1日、全国の民放の中でもいち早く会員制Eメール配信サービス「Club-N」を開始した。2003(平成15)年5月現在の会員数は1万5,000人で、札幌、福岡で同様の組織を立ち上げている一部の放送局と並んで全国最上位に位置している。入会料無料で、放送に伴う各種コンテンツの配信を軸に、「Club-N」立ち上げ268第6章 経営改革の時代会員募集告知画面A会員募集告知画面B

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