した機器もあったという。この間、はんだごてを握り機器の部品を1個ずつ交換するという延命策を数回にわたって行い続けたが、老朽化は避けられず、時々、映像スイッチャーが切り替わらないなど信頼性が低下していた。新しく導入したシステムは、SD(現在の地上波テレビ)方式ながら、HD(ハイビジョンテレビ)化にも対応できる。まず、映像系は全てD1と呼ばれるデジタルコンポーネント信号で処理されており、これはHDへのアップコンバート(方式変換)に最も適した信号を採用した。近い将来、地上波デジタル放送等で、HDでの番組制作が必要になってもアップコンバータやHD-VTRを追加することにより対応が可能である。また、テレビ副調整室(サブ)の室内に初のノンリニア編集機を導入することにより、VTRはサブでの送出・収録用と編集用を兼ねることにした。DVW-A500やDSR-2000 など4台のVTR導入で、ベータカムをはじめあらゆる機種のVTRの再生が可能となった。さらに、音声完パケ用にMA(Multi Audio)を導入したほか、アナブースでもワンマンでナレーション取りができるように機能を拡充した。この他、サブと同じく老朽化の目立っていた大型カメラ四式を同時に更新した。カメラはソニーのHDカメラHDC-950。中継時の利便性を考え、カメラはすべてハンディタイプとし、必要に応じてビルドアップ(筐体内部にハンディカメラを装着)することで、大型カメラとしても使用できる。これに対応して、25倍ならびに86倍の大型HDレンズを各二式、ハンディHDレンズは16倍を三式、9倍のワイドレンズを一式更新した。これにより、画質の向上はもちろんのこと、自由な運用形態をとることが出来るようになった。さらに従来2時間以上かかっていたカメラ調整が、わずか数分で可能となり、運用効率も格段に向上した。267第4節 グローバル時代のローカル番組新設されたスイッチャー卓
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