南海放送50年史
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んという92歳の老人が、いまや絶滅に瀕している高山植物クマガイ草を育てている。冷え込みのきびしい山村でようやく発芽したクマガイ草が霜で枯れないよう、近藤さんは暗いうちに起きて焚き火をするなどして、春、白い花がひらくのを見守る。老人と山草が心をかよわせているような場面が感動的だった。この番組は民放連盟賞エンターテイメント部門優秀賞を受賞(2002年11月)したほか、“テレビの父”高柳健次郎を記念して優れた科学番組に贈られる高柳記念賞(最高賞)(2003年1月)、放送批評懇談会によるギャラクシー賞優秀賞(2003年5月)を受賞した。また、シンガポールで開かれたアジア最大のテレビコンペティション「アジアテレビジョンアワード2003」(2003年12月)のドキュメンタリー部門で、「人間賛歌、自然賛歌として出色のドキュメント」と評価され、グランプリを受賞した。小型ビデオカメラによる映像取材、パソコンによるビデオ映像のノンリニア編集は日常的に行われるようになった。その後ニュース報道取材、ドキュメンタリー番組の制作、女子アナウンサーが企画・取材・編集まで担当する『女子アナ的今コレ!』にも活用され、深夜としては異例の視聴率を取る人気番組にまで育っている。1992(平成4)年9月、ファクシミリ放送研究プロジェクトは、「営業情報も含めたデータベース、全社的な情報の共有システムを構築して、テレビ・ラジオ・各種事業に活用することなどを将来の大きな課題とする」という答申を行った。これらの研究をベースに、情報の蓄積、検索システム等の整備など社内情報化システムを研究するため、情報システム開発委員会が1993(平成5)年7月18日発足した。社内LAN・ホームページ開設264第6章 経営改革の時代クマガイ草を育てる近藤 清さん『女子アナ的今コレ!』のスタッフ“テレビの父”高柳健次郎氏

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