ウォーク」、「ふるさとウォーク」とタイトルこそ変わったが、主旨は「学びながら楽しく歩こう」という点で一貫していた。1998(平成10)年3月21日に行われた『伊予銀行(第29国立銀行)創立120周年、ろまん保内ふるさとウォーク』では、歩行距離が一挙に6キロを超える設定となり、西宇和郡保内町内の伊予銀行開業の地をはじめ、産業遺跡等を取り込むコースで、スタッフは3か月間現場に通った。当日は新居浜、西条などからの参加者も合わせて1,000人余が歩き、町の人々から湯茶の接待を受けるなど、参加者と市民の新しい交流の形が芽生えた。1999(平成11)年5月、西瀬戸内海一帯が、しまなみ海道の開通で沸き返るなか、6月6日には、『しまなみ海道開通記念・しまなみ海道ふるさとウォーク』を今治沖の大島、越智郡吉海町で開催、ラジオで生中継した。村上水軍ゆかりの史跡名勝巡り約6キロのコースには、広島県側からの参加者もいた。ここでも、島四国遍路の伝統そのままに、町民から参加者へのお接待が行われ親睦を深めた。ラジオウォークは、テレビに比べ生中継システムに機動性があり、複数の移動リポーターが簡便な機材を駆使して、参加者と共に歩ける点に特徴がある。またクイズの形式を採用することで、ラジオの聴取者も一緒に解説を楽しめる利点があった。2000(平成12)年初夏には、大型のふるさとウォークを連続して開催し、ラジオの機動性と高い制作能力を発揮した。まず5月5日、宇和島城築城400年祭に協賛したラジオウォーク『てくてく宇和島伊達漫遊記』は、宇和島市と伊達博物館などの協力を得て開催、宇和島城を中心とする伊達藩の旧跡をめぐる歴史ウォークだったが、こどもの日ということもあり1,200人の親子連れを集め賑わった。続いて6月4日、松山市と伊予銀行の共同協賛で開催した「坂の上の雲を歩こう」は、松山を舞台に描かれた司馬太郎の小説『坂の上の雲』の史跡や道を巡る企画だった。松山市は、257第3節 文化遺産の継承まつやまお城下ウォーク・坂の上の雲を歩こうまつやまお城下ウォーク(2002年10月)「坂の上の雲を歩こう」(2003年10月)
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