南海放送50年史
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翌年のしまなみ海道開通を前にした1998(平成10)年秋、わが社と広島テレビの間で開通特番に向けた話し合いが始まった。定期的に行われた会議にはわが社から制作部と報道部のスタッフが出席し、特番の演出方法、VTR制作担当、中継個所などについての綿密な打合せが行われ、開通当日に備えた。開通1週間前の1999(平成11)年4月26日からは制作部、報道部、放送部、情報編集センター、制作技術部のスタッフ15人で「しまなみキャラバン隊」を組織し、今治市、吉海町、瀬戸田町、尾道市と移動しながら連日生中継した。午前10時25分から30分間の『しまなみ海道おすすめ旅』と夕方の『特急なんかいニュースプラス1』内での生中継を基本に『ズームイン!!朝!』での中継もこなした。そして開通前日の4月30日には今治市の糸山展望館や来島海峡大橋などを中継地点に、午前7時から午後7時までの12時間に、『しまなみ生情報』として11回の中継を行った。開通当日の5月1日は午前7時からの『ズームインサタデー』、午前8時からの『ウェークアップ』で島の人びとの喜びの表情を生中継した後、午前9時30分からわが社と広島テレビの制作部・報道部の共同制作特番『これが瀬戸内しまなみ海道だ!』が始まった。多々羅しまなみ公園をキーステーションに新尾道大橋、多々羅大橋、来島海峡大橋それにヘリコプター、クルーザーを結ぶ6元中継だった。わが社と広島テレビの中継車5台、16台のカメラ、120人を超えるスタッフと、世紀のビッグプロジェクトの完成を伝える大掛かりな陣容だった。2時間の特番では各地の中継だけでなく、ゲストの篠田正浩監督の説得ある語りや両局の制作部が担当した「橋の絶景対決」、報道部が担当した「架橋の歴史」などの硬軟とり混ぜた多彩なVTRも入り、充実感ある番組となった。一方、ラジオは中国放送と共同で『瀬戸内しまなみしまなみ海道の開通254第6章 経営改革の時代『これが瀬戸内しまなみ海道だ!』

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