南海放送50年史
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選挙戦では景気対策、地方分権と行政改革、農協再編などが論点となった。報道制作本部は両候補のつばぜりあいを三谷隆司、小倉健嗣記者を中心に「対決・知事選」と題して『特急!なんかいNEWSプラス1』で克明に追った。また、愛媛の大学生有志が呼びかけた立候補者政策討論会が松山市総合コミュニティセンターで実現することになり、民放4社もこの政策討論会を特別番組として収録、南海放送ではテレビ・ラジオで放送した。テレビは12月11日深夜1時45分からの放送にもかかわらず、視聴率は2.1%を記録し、有権者の関心の高さを示した。選挙戦の終盤には、加戸候補に支持を替える財界人もあらわれ、選挙の結果は18万票の大差で加戸氏の勝利となった。投票日の1月3日、ラジオは午後10時30分から85分間の『愛媛県知事選挙特別番組』を編成し、関西福祉大学教授・前田繁一氏、俳人夏井いつき氏をゲストに招き、選挙結果の分析とともにリスナーに五七五に託した感想を寄せてもらった。多数の投句の中から一つ。知事選挙 伊予もいよいよ 加戸期かな総合企画部はネットクルー(松山市)の協力を得て、「ホームページ開票速報」を開設し、多数のヒット数を記録、メディアミックス報道に確かな手ごたえを感じさせた。1999(平成11)年春は、統一地方選挙の年だった。掉尾をかざったのが4月25日投票の松山市長選挙である。3選をめざす現職市長田中誠一氏に元新進党代議士中村時広氏が挑戦した。21世紀の松山市政の舵取り役を決める選挙とあって有権者の関心は高かった。民放4社は共同主催のかたちで「松山市長選挙政策テレビ討論会」の希望を両候補に申し入れたところ両候補が承諾、実現のはこびとなった。229第1節 地方局、冬の時代へ松山市長選挙 中村時広候補知事選挙立候補予定者公開討論会

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