南海放送50年史
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出すサリンと推定した。年が明けた元日の讀賣新聞は、松本サリン事件の翌月、オウム真理教団が本拠としている山梨県上九一色村で悪臭騒ぎがあり、土壌からサリンの残留物が検出されたとのスクープを報じた。また、地下鉄サリン事件の前月には東京・品川の公証役場事務長拉致事件にオウム真理教のかかわりが疑われていた。3月22日、警視庁などの捜査当局は、上九一色村のオウム真理教教団本部を一斉に捜索し、サリンの製造原料となる薬品類を多量に押収した。逮捕された教団幹部の一人が地下鉄サリン事件の実行犯であることを認めたため、事件は教祖の麻原彰光(本名松本智津夫)が計画、信徒を指揮して組織的に犯行を行ったものと断定された。5月16日、上九一色村の捜索で第6サティアンに隠れていた麻原を逮捕した。事件にかかわった幹部信徒が次々に逮捕された。NNNは上九一色村、東京南青山のオウム真理教総本部の捜索に阪神・淡路大地震に次ぐ大規模な取材体制を敷いた。南海放送は報道部の小倉健嗣記者を応援に派遣した。5月15日の捜索前日には、17時から20時まで3時間ぶち抜きの『NNNニュース特報!!』、16日は早朝4時35分からの『報道特報』にはじまり、生ワイド番組から『きょうの出来事』まで、ナイター中継を除くすべての番組がNNN特別報道番組となった。翌17日も生ワイド番組は放送時間枠を拡大してのオウム特集、17時から『NNNプラス1』、21時20分から23時08分まで『オウム帝国戦慄の終焉』、『きょうの出来事』は放送時間枠を50分拡大して放送した。オウム特番は高視聴率を記録、生ワイド番組はいずれも視聴率が上昇した。テレビはまさに“オウム漬け”のありさまであった。松本サリン事件の第一報は、松本市北深志1丁目の会社員河野義行さんの「妻が苦しがっている。すぐ救急車を」との119番への通報であった。その他多数の人びとの異常な症状「放送倫理基本綱領」制定214第5章 民放4局化時代

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