南海放送50年史
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き」のテレビスポット部門で優秀賞を受賞した。ターナー島とは夏目漱石の小説『坊っちゃん』で主人公が釣舟で遊ぶ場面、赤シャツと野だいこが「あの松を見給え、幹が真直で、上が傘の様に開いてターナーの画にありそうだね」「絶景でげす」などと粋がってみせる小さな岩礁である。地元では四十島の名で知られるこの小さな岩場の松が枯れかけているのを心配した松山市立味生小学校教諭北岡杉雄氏が、松の若木に植え替える作業をしながら自然保護の大切さを語りかける。「自然というものはよく出来ています。人間がちょっと手を加えるとすくすくと育ちます。」登山帽をかぶって独りこつこつと作業をつづける北岡先生のやさしいまなざしと語り口にすばらしい説得力があった。映像取材部長山内美元が撮影し、60秒にまとめた。1993(平成5)年1月、わが社は「創立40周年記念事業実施本部」(本部長・大西越丙社長)を設置し、記念事業活動の中心に「ふるさとを美しく」を統一テーマとするキャンペーン活動を全社的に展開することを決定した。『なんかいNEWS530』は河川保護に立ち上がった「広見川を守る会」の住民活動をとりあげた。コンクリートで固めた護岸工事が自然環境を無視して進められた結果、豊かな生態系を破壊していた。松山市ではテレビ、冷蔵庫、自転車など耐久消費財の廃棄物を湯山地区で埋め立て処理をしていたが、すでに限界がみえていた。また、ごみの埋め立てには土壌汚染の危険があった。ごみの焼却は有害物質ダイオキシン発生の危険をともなう。環境への負荷を低減できるリサイクルの実践例などをとりあげた。市街地の景観問題も「高層化」、「歴史的景観と街づくり」、「水質と水辺環境」などをシリーズ企画でとりあげた。特別番組としてシンポジウム「未来からのメッセージ“美しい街づ199第2節 創立40周年ターナー島の松の手入れをする北岡杉雄氏

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