南海放送50年史
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系列を超えて実力を持つ地方局が提携し、地方の時代にふさわしいスケールの大きい共同制作番組はできないか。『21世紀 ふるさとのドラマがはじまる~RNB-TVワールド』(60分)はこのような思いをこめて、1989(平成元)年秋から1年間にシリーズ8本が制作された。第1回は本四架橋3ルートのうち、最初に完成した児島-坂出を結ぶ瀬戸大橋にちなんで『本四架橋時代・瀬戸内ビジネス』。架橋がもたらす経済効果をテーマとした。第2回は『九四トンネルへの挑戦』。番組制作のきっかけとなったのは、「九四トンネルは10年の工期で建設可能」とする日本鉄道建設公団の最終報告書であった。さらに言えば、1965(昭和40)年のワイズマン報告による「第二東西道路構想」の提案により具体化された第二国土軸構想である。東海から伊勢湾口、紀伊半島、紀淡海峡、四国、豊予海峡をへて九州に至る約800キロメートルを高速道路で結び、西日本における広域経済交流圏の形成をめざすという壮大なプランである。鉄建公団の最終報告でにわかに構想は具体性を帯びてきた。1989年11月には大分市で関係17府県による第二国土軸シンポジウムが大分市で開かれたことも番組作りの追い風となった。南海放送から大分放送に企画提案し、賛同を得た。番組は南海放送をキーステーションに豊予海峡上空を飛ぶヘリコプター、大分・佐賀関と愛媛・三崎港の現地では地元の人びと、大分放送スタジオの平松大分県知事、南海放送スタジオの伊賀愛媛県知事の5元生中継で豊予海底トンネルへの期待を熱っぽく語り合った。佐賀関側には青函トンネル工事に従事した技術者たちが集まり、世界的な掘削技術を次のプロジェクトに生かしたいと語ったのも印象的だった。第4回「日米経済摩擦のはざまで~伊予銀行ニューヨーク支店」は、ニューヨークの貿易センタービルを拠点に、海外での金融活動に参入した地方銀行の素顔を描き、グローバルテレビ特番『RNB-TVワールド』179第4節 昭和から平成へ第2回『RNB-TVワールド』に出演した平松大分県知事(左)、伊賀愛媛県知事(右)『豊予海峡九四トンネルへの挑戦』のスタジオ(南海放送)第6回『RNB-TVワールド』のタイトル

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