南海放送50年史
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れはじめた。1976(昭和51)年10月4日。新しいローカルニュース番組『なんかいワイドニュースtoday』のスタートである。これまで夕方6時台ではNNNネットワークニュースが18時45分から放送され、ローカルニュースはその前に18時30分から番組編成が行われていた。その存在感は小さくなかったが、1974(昭和49)年1月からNNNニュースが先に放送されるようになった。後にまわったローカルニュースの放送時間はCMをカットしたものの、11分に短縮された。70年代後半に入り、石油ショックによる物価上昇、日中国交回復、ロッキード事件などビッグニュースが相次ぐ。民放キー局は「報道の時代」と呼び、ニュース強化に力を入れはじめた。テレビ報道の速報性と臨場感は圧倒的だった。一方、第一次産業の衰退、過疎など社会構造の変化にともなう地域の課題は多かった。地域メディアとして、ローカルニュースのありかたにも再検討が迫られていた。折からラジオ・テレビ兼営局の多いJNN系列局がローカルニュースを拡大して18時から始めるという情報があった。総合文化産業という新しい経営展開を機会に、わが社もローカルニュースのワイド化を急いだ。新番組の放送時間は18時~18時30分として、キャスターには山本昭夫、糸川千恵子両アナウンサーを起用した。親しみやすいローカル番組として定着していた『かどを曲がって3軒目』を中止し、その制作要員が『today』の応援に参加するなど全社的な取り組みの体制となった。ニュースのワイド化にあたって重視されたのは、送り手からの一方的なお知らせではなく、地域の視聴者の視点や生活感覚を大切にすることであった。107第1節 新たな地域貢献活動糸川千恵子キャスター山本 昭夫キャスターワイドニューススタートを告げる大街道交差点の電光ニュース

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