からの中継で始まり、ゲストの女性たちの座談“お茶の間時評”、毎週テーマを決め地域を紹介する“カメラスケッチ”、時の人をスタジオに迎える“きょうのお客様”などと続いた。第4回には愛媛の伝統行事である闘牛を紹介しようと宇和島から重さ1トンの横綱牛がスタジオへ運び込まれた。スタジオの床はツルツル。もし滑って骨を折ったら、その牛の闘牛生命はなくなる。スタッフたちは、水に浸けておいたワラジを牛に履かせてスタジオに入れたが、ヒヤヒヤものであった。番組は毎週金曜日午後、テレビスタジオで録画され、日曜日朝8時から1時間枠で放送された。企画会議はいつも白熱した。各自が発掘して持ちよったネタが叩かれる。深夜まで討議がおよぶことも多かった。スタッフ同士の切磋琢磨で、思いがけない新しい表現方法も生まれた。視聴率はこの年の11月の調査で18.8%あり、その後もしばしば20%を超えている。愛媛の暮らしを浮き彫りにし、地域の人たちと向き合い、明日を考える番組は、NHKには無いカラーを特色とし日曜の朝の顔として定着していった。1970(昭和45)年4月から放送時間が午前9時からとなり、タイトルも『なんかいサンデー9』と変わり、この年から全面カラー化された。その後、内容もリフレッシュされ、愛媛の民俗行事、地域診断など優れたシリーズを生む看板番組の役割を果たし続けた。1984(昭和59)年3月25日、809回をもって終了し、新番組『情報センター ザ・スケッチ』に、その役割を譲った。『なんかいサンデー8』がスタートした同じ年の1968(昭和43)年、わが社初めての海外取材を行った。これは、ベトナム戦争の最中、東南アジアを舞台に活躍する県人を追い、県内から進出している企業の実態を描くドキュメンタリー番組初の海外取材82第2章 大いなる飛躍へワラジを履かせた闘牛も登場『なんかいサンデー9』(糸川千恵子・山本昭夫)スタッフミーティング
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