南海放送60年史
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80第2節 伝統を継続し創造する力彦氏が子規記念博物館を訪れ、松山市の土居貴美教育長に全遺品の目録を手渡し、遺品類の管理が子規記念博物館に移った。 児童用 水野広徳自伝を出版  水野の功績を「もう一つの坂の上の雲」と位置づける河田社長は、小中学生も読みやすい内容にリライトした『水野広徳自伝~平和を訴え続けた軍人の半生~』の出版に尽力した。イラストも交えて少年水野の成長を綴った読本は、2010年12月1日に出版された。同月26日(12:00-14:00)には、『ラジオシンポジウム 反骨の軍人・水野広徳』を放送した。 子どもたちに伝えたいとの思いから、2011年12月14日、アナウンサーによる群読も水野ゆかりの松山市立番町小学校で行われた。民間放送教育協会「子ども・未来プロジェクト」として、2012年にも県下2ヶ所で実施された。 水野特別展と猪瀬直樹氏講演会 松山市立子規記念博物館に寄贈された水野の遺品を展示する特別展『水野広徳~軍服を脱いだ平和主義者~』が2012年12月15日から2013年2月11日まで開かれた。 特別展期間中の2013年1月20日、南海放送開局60周年記念事業として、猪瀬直樹東京都知事を講師に招き、『打開か、破滅か?!水野広徳が一番言いたかったこと』と題した講演会を子規記念博物館で開催した。猪瀬氏はノンフィクション作家として、『黒船の世紀 ガイアツと日米未来戦記』(1993年)を出版している。第一次世界大戦下のヨーロッパで近代兵器の破壊力の凄まじさを目撃し、反戦論者になっていった水野広徳の伝記ともいえるノンフィクションである。 猪瀬氏は、「“日米未来戦記”として書かれた水野の“次の一戦”は極めて的確な内容で、開戦の無謀さを警告するものであったが、国民に受けなかった」としている。水野広徳自伝~平和を訴え続けた軍人の半生~松山市立子規記念博物館番町小でアナウンサー群読特別展会場

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