南海放送60年史
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72第6節 東日本大震災と危機管理稼動に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請した。広域訓練と事業継続計画(BCP)  「生命を救うための報道」ができるかをテーマに、日本テレビ系列のほぼ全局が参加し、NNN南海トラフ巨大地震訓練を2013年1月27日に行った。 広島、福岡、大阪からのヘリコプターで四国の沿岸をカバーし、津波警報を伝える初動態勢から発災3日後の安全情報の発信、本社停電への対応など、系列各局と連携をとりながら行った。 また、南海放送では、想定される様々な緊急事態に対処し、報道機関として市民の安心・安全を守る役割を果たすため、事業継続計画(BCP)を2013年5月27日に策定した。 第1部 緊急事態対策要綱、第2部 巨大地震における事業継続計画、第3部 緊急編成報道マニュアル、第4部 原発事故取材ガイドブックの4部からなり、東日本大震災を踏まえ、従来のマニュアルに加筆して再構成した。 主な内容は報道部門の初動態勢を迅速に確立させながら緊急編成を行い、ラジオ、テレビ、ウェブなどマルチメディアの機能をフルに生かして情報を収集・発信する。人員の確保や放送機器の復旧作業、非常用物資の調達など、全社的な体制を組んで、電力が復旧するまで最低3日間は自力で放送できるようにする。 さらに、NNN系列四国4局(南海放送、西日本放送、四国放送、高知放送)は、緊急事態発生時に放送を継続するために相互に援助しあうことを確認し、2013年4月1日、協定を結んだ。東日本大震災のような複合的大災害の中で放送を継続するためには、ネットワーク相互の支援が不可欠である。

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