南海放送60年史
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71[社史 第2部] 第2章 デジタルコンテンツのマルチユース取材の原則ラインを40キロ圏外とする」という項目をなくし、それぞれの区域の実情に応じた取材マニュアルに改定した。ホットスポットや除染、廃棄物処理問題に関心が高まる中で、福島中央テレビでは各地の放射線量の表示がL字画面で随時放送されていた。福島牛の品評会の取材では、風評被害にあってブランド牛の価格が下落するという現実を見ることになった。 一方で、東日本大震災で被災した人たちと愛媛の人たちの交流を取材した番組『震災と愛媛~被災地と繫いだ絆~』を2011年12月30日(16:50-17:50)に放送した。愛媛に避難して農業を営むことにした家族や、愛媛への修学旅行支援などを描いた。 伊方原発再稼働への動き  2011年12月8日、県内外の住民が原告となり、四国電力に対し伊方原発3基全ての運転差し止めを求める訴訟を松山地裁に起こした。 2012年1月、伊方原発1、3号機に続き、2号機も定期検査入りし、伊方原発の全3基が運転を停止した。2012年6月、政府や地元自治体は関西電力大飯原発の再稼働を決定した。12月の衆議院議員選挙では、「10年以内に電源構成のベストミックスを確立する」との公約をかかげた自民党が大勝した。 2013年2月、県地域防災計画の「原子力災害対策編」が決まり、伊方原発の災害対策重点区域を半径約30キロ圏に拡大することになった。6月には、伊方原発で重大事故が発生した場合、30キロ圏内の住民約13万人を県内と山口、大分県に避難させるという広域避難計画を発表した。同日、県は南海トラフ巨大地震による最大震度や津波浸水面積などの独自想定を発表した。ほぼ県内全域で最大震度6弱以上、最高津波水位は、宇和海沿岸で7~9メートル、瀬戸内海側が3~4メートルと想定している。 四国電力は2013年7月8日、停止中の伊方原発3号機の再

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