南海放送60年史
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58第₄節 全国放送で愛媛の良さを発信山間部の老夫婦に焦点、受賞  平成25年度の日本民間放送連盟賞ではテレビエンタテインメント部門で、『さくら さくら』(2013年₅月30日27:39−28:34放送)が全国優秀賞を受賞した。 この番組はレギュラー番組『もぎたてテレビ』(2012年₄月₁日放送)で佐藤正彦ディレクターが取材したのがきっかけで、同番組の寺尾隆プロデューサーが番組化を決意した。 内子町相野地区という山里に暮らす竹崎勇さん(78歳)、一子さん(76歳)夫婦が60年間に渡って育て上げた₁本の美しいしだれ桜、名付けて「相野の花」。そのしだれ桜が満開となる日を目掛けて、3,000人もの人々が口コミで集まるという、過疎の山里に起こる感動のドラマを粘り強い密着取材で描いた。この₅月の番組に先立ち、₄月21日㈰にはNNNドキュメント『わらいびと~桜守りと3000人の笑顔の山』として30分枠で全国放送を実施。寺尾ディレクターはこの30分枠では充分に盛り込むことが出来なかった竹崎さん夫婦の心温まるエピソードを効果的に加えるなど再構成し、ゆったりとした山里の暮らしと共にある夫婦の暮らしを詩情豊かに描き上げ、高い評価に繫がった。 連盟賞審査員の評価では「ファーストシーンを見てこの番組が₁位と直感した。揺るぎのない₁位」「夫婦がまどろむ場面等、一生に₁回出会うかどうかの場面を見事に切り取っている」「定点観測という南海放送得意の手法が見事に生かされた秀作」といった声が相次いだ。愛媛の隅々を歩く『もぎたてテレビ』だからこそ生まれた地域密着のドキュメンタリーがまた₁つ誕生した。 女性記者が「亡き妻からのラブレター」を発掘  入社₅年目、八幡浜駐在の清家夕貴記者が取材・制作した『NNNドキュメント'13 亡き妻からのラブレター~じっちゃん高校生の恋~』を、2013年₆月₂日に全国放送した。竹崎さんご夫妻が守るしだれ桜竹崎さんご夫妻

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