南海放送60年史
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49[社史 第2部] 第2章 デジタルコンテンツのマルチユースラジオに映像をプラスするという意味では、実験的な面白さがあった。 「ワンセグ×ラジオ」のチャレンジは、7月12日開催の日米大学野球選手権大会(坊っちゃんスタジアム)でも行った。テレビ中継とBS日テレへの同時生放送に始まり、博報堂DYメディアパートナーズのビジネス開発部から依頼があったテレビ映像にリアルタイムでCG看板を合成する「バーチャル看板企画」(投手の球速を表示)を実施。さらに、テレビの中継映像とラジオ放送の音声を組合わせることによって、小さい画面でも試合の途中経過がわかりやすい野球中継を演出する「ワンセグラジオ放送」を行った。 インターネットラジオとラジコへの参加  2010年12月1日には、株式会社電通と在京・在阪のラジオ各社の出資により新会社の「株式会社radiko」が設立され、IPサイマルラジオは拡大期に入ろうとしていた。 12月18日からは、ラジオ放送と同じプログラムを愛媛県内に限定して、「IPラジオ実験」としてインターネット上でも配信した。極力コストを抑えるため、システムは民生用機材で構築し、カメラの切り替えはラジオディレクターが行ったが、大きなトラブルは起きていない。 「IPラジオ実験」といっても権利処理は必要であり、日本音楽著作権協会(JASRAC)等については、利用料規定に定められている最低月額使用料で許可を得、日本音楽事業者協会(JAME)などについては、無料での協力があった。実験開始から2日間のアクセスは5,000人で、1人平均2回のアクセスがあった。1万件のヒット件数は、予想を上回る滑り出しであった。 正式にradiko.jp(ラジコ)に参加してのインターネットラジオの開始は、2012年11月1日からになった。四国の民放では初めてで、全国では66局目となった。 radikoロゴマーク

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