南海放送60年史
46/136

38第1節 河田社長就任とデジタル化推進 この結果、2008年度の第78期決算では、資産売却などを見込んで計上していた繰延税金資産の取り崩しもあって、営業損失が9億34百万円、当期純損失が19億96百万円という多額の赤字を計上した。 そうした中にあって、2009年から2013年の開局60周年にいたる中期経営計画を策定し、①収支構造の改善と経営の安定化 ②営業活動の強化 ③全日視聴率の向上 ④ラジオの自立とクロスメディア対策の基本方針を掲げた。 さらに、2009年6月の第78期定時株主総会直後に社長をリーダーとする「経営改革委員会」を発足させ、「経費削減作業部会」、「営業戦略作業部会」、「新規ビジネス開発作業部会」、「ラジオ改革作業部会」などを設置した。並行して夏期賞与など人件費の削減とともに、営業企画・番組制作の予算報告書を改訂して、経費項目を明確化した。また、競争見積りの徹底、時間外労働管理、諸経費見直しによる経費削減を実行していった。 同年10月の機構改革では、4本部制を廃止して組織のスリム化を図り、実務の責任者として局長レベルでのスピーディな業務遂行を求めた。 新キャラクター ウィット誕生  本社移転や地上デジタル放送開始など大事業が目白押しとなった2006年を控え、社内にステーションイメージ委員会が設置され、デジタル広報ワーキンググループを中心に新キャラクターの制作にとりかかった。 それまでのキャラクターはヤギをモチーフにして、「ジェントル」など優しいイメージを醸し出していた。ワーキンググループの議論の末、「キャラクターの一般公募自体が、地上デジタル放送開始に向けた最大のPR」との結論に立ち、公募によるキャラクター選定を決めた。また、ホームページを活用したWEB投票なども導入、最終審査には松山市出身の漫画家、能田達規氏やスノーボードの第一人者、青野令選手(当新キャラクター「ウィット」

元のページ  ../index.html#46

このブックを見る