南海放送60年史
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31[社史 第2部] 第1章 地上デジタルテレビ放送開始クイヤーで本当に忙しい」と井上氏から出演辞退された。 エース同士の対談は断念し、代わりに、松山商業高校の主将だった大森光生さんの快諾を得た。 甲子園大会後のブラジル遠征で日本代表チームの捕手として、太田さんの球を受けて以来39年ぶり、太田さんとじっくり話をするのは初めてとのこと。大森・太田対談は、太田さんには初めての松山商業高校グラウンドで収録した。 「プロ野球経験者の太田さんとアマチュアである現在の選手が、同じ画面に入ることは駄目。プロ経験者が現役選手と話すなどの接触も、一切駄目」という高野連のお達しで、昼休みのグラウンドを使用した。二人とも気持ちが入り、「本音」の対談になった。 番組キャスターを立てず、松山商業高校・三沢高校の現在の女子高生一人ずつを取材することになった。当時の18歳が成し遂げた出来事を、今の18歳がどう捉えるか。その心の動きを描くことにした。松山商業高校側は、高校野球の「ウグイス嬢」をする放送部在籍で、高校野球に関わりたくて松山商業高校進学を決めた池田和世さんを選んだ。三沢高校側は、バスケットボール部在籍の新山美保さんになった。 ナレーションには、アイドルの松浦亜弥さんを起用した。 映像はNHKに提供を依頼し承諾された。大会映像を使用するには、主催の日本高野連と朝日新聞社の許可がいる。「大会の映像を、番組で使用しても構わないこと。3分以内という使用制限を外し、この番組についてはいくら使っても構わない」との例外的な好条件で許可を得た。番組は2008年6月28日(16:00-16:55)に放送された 高校生として三沢高校で、バスケットボールを頑張っている女子高生・新山さん、松山商業高校で、放送部の活動を頑張っている女子高生・池田さん。37年ぶりに邂逅し対談した太田投手、大森捕手。審判として愛媛の野球界に貢献している当時の松山商業高校の選手久保田俊郎さん。それぞれの一所懸命生きている姿が映し出され、番組は爽やかな感動を呼んだ。 松山商業グラウンドで対談左:大森氏 右:太田氏優勝当時選手だった久保田氏

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