南海放送60年史
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24第6節 デジタル新時代へニュース強化ス福井優也(現広島)投手が愛知・東邦を1-0でシャットアウト。 そして今でも語り草になっている準々決勝では、あのダルビッシュ(現レンジャーズ)投手擁する優勝候補・東北に対し9回逆転サヨナラホームランで劇的な勝利。3番高橋勇丞(元阪神)選手が真壁投手から打った当たりは、怪我でレフトを守っていたダルビッシュ投手の頭上はるか上をライナーで越えてスタンドイン。4点差をひっくり返した球史に残る勝利だった。済美は完全に勢いに乗ると四国対決の準決勝では粘る明徳義塾を7-6で振り切り、あれよあれよと言う間に決勝へ。 4月4日の決勝戦、愛工大名電に追いつかれそうになりながら6-5の1点リードでついに場面は9回裏2アウト2塁。一打同点のピンチではあったが、立錐の余地も無い3塁側の応援団はその瞬間を疑わなかった。 先輩アナウンサーから交代で甲子園入りし済美応援団を取材していた江刺伯洋アナウンサーに、全国優勝をリポートという幸運の女神が微笑む。 「…2アウト2塁、カウント2-2、マウンドにはエース福井、…足が上がって投げた!打ったのは平凡なサードゴロ、サード田坂が取って1塁へ!初出場初優勝!済美高校、日本一~!!」。江刺アナは雄叫びを上げる生徒応援団や保護者達にもみくちゃにされながらも、歴史的な瞬間に立ち会えた幸せを感じながら渾身のリポートで締めくくった。 創部(2002年)から3年(実質2年)の史上最短で全国優勝という大偉業を、ラジオ・テレビの放送を通じ、試合会場や練習場だけでなく、当時の宿舎(尼宝館)からも余すところ無く連日愛媛に向けてお伝えすることができた。 また、最高潮を迎えた地元の盛り上がりも徹底取材した。まつちかタウンに設置されたテレビモニターで100人を超える人が大声援を送る様子や、大街道で号外が配られたりする様子などを取材して放送した。さらに、ニュース番組では凱旋帰郷したナインの学校での優勝報告や、上甲監督を招いて選抜で優勝、凱旋する済美ナイン

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