南海放送60年史
18/136

10第3節 デジタル時代を生き抜くコンテンツ力『ひだまり』日本民間放送連盟賞 全国最優秀賞  1991年4月にスタートした『もぎたてテレビ』は、地域の暮らしに寄り添うような取材活動を続けた。『もぎたてテレビ』での出会いから様々な番組活動を展開していった。 2004年5月21日(25:44-26:29)放送のテレビ番組『くもりときどき、晴れ~今治大浜・小さなご近所物語~』の舞台は、今治大浜地区でお好み焼店「昌万」。店主の檜垣瑞穂さん(ミーコちゃん・58歳)が暮らす、わずか200メートルほどの通りの「ご近所さんたち」の日常に密着したヒューマン・ドキュメンタリーである。 出演はそのミーコちゃんを筆頭に、「昌万」の向かいに住むお洒落な94歳の一人暮らし「味岡のおいさん」、100歳の義父の介護をこなす幼馴染「ヒサちゃん」、犬が相手の一人暮らし「仙石のみっちゃん」など…。 実に個性豊かで気さくな登場人物の「ご近所付き合いの日々」を寺尾隆ディレクターが粘り強い取材で描き、翌2005年6月に第42回ギャラクシー賞優秀賞を受賞した。ギャラクシー賞の選評では、「カメラとマイクが見事に日常を切り出した基本に忠実なドキュメンタリー。過疎・高齢化をご近所という温かさで包みつつ、冷徹に見通す視点はあまりにも見事」と高く評価された。 2003年に『クマガイ草』で同賞を受賞した寺尾ディレクターの構成力と安庭慎也カメラマンの美しい映像が光った。 定点観測はさらに続き、ドキュメンタリーでありながら、ドラマあるいは映画のような作品に仕上げたいという思いで取り組んだ続編『あした、天気になあれ』が、2007年の日本民第3節 デジタル時代を生き抜くコンテンツ力『くもりときどき、晴れ』店主の檜垣さん

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る