南海放送60年史
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3[社史 第2部] 第1章 地上デジタルテレビ放送開始送信するデジタル親局は、伊予市の行道山(標高373メートル)で、2005年5月に工事が始まった。 工事は順調に進んでいたが、7月9日、10日の両日に県内を襲った集中豪雨により、局舎に向かう進入道路3ヵ所が寸断され、1ヵ月近く工事がストップした。 親局の鉄塔を共同建設するNHK松山放送局と協議した結果、迂回路を整備することになった。その後、局舎を建設するため、コンクリートを打設する工事が連日続けられた。12月には予定どおり局舎が完成し、自社マイクロ用鉄塔の予備アンテナを使用して試験電波を発射した。 2006年5月17日、松山・行道山デジタルテレビジョン送信所(デジタル親局)の竣工披露式典が伊予市上野の現地で行われた。共建ではあるが局舎は別々で、親局電波を送信する2社共用の鉄塔はNHKの局舎屋上に建てられた。高さ67メートルの鉄塔のほか、本社向けのマイクロ用鉄塔、さらにはそれぞれの局舎内に、デジタル電波を送信する機材や、番組を伝送するマイクロ波送受信装置及び自家発電設備などが設置された。 アナログテレビ時代の親局の鉄塔は、1957年に、松山城城山中腹にNHK松山放送局と共同で建設し、1958年12月にテレビ放送を開始した。デジタル親局竣工式典で挨拶した松友社長は、その点について触れ、「当時も2つの放送局の技術陣による熱意が行政当局を動かした(城山での鉄塔建設を可能にした)」と当時のエピソードで、その意義を強調した。およそ半世紀後、地上デジタルテレビ放送においても、再びNHK松山放送局と共同で親局を建設する結果となった。 新本社の落成披露式典  新本社(本町会館)での業務開始から約1ヵ月が経過した2006年9月5日、新本社落成披露式典がテルスターホールで催された。日本テレビの氏家齋一郎代表取締役取締役会議長、行道山で起工式行道山デジタル親局

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