南海放送60年史
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95[社史 第2部] 第3章 開局60周年、そして第3の創業へ放送設備を持つハード事業者は「免許」を、コンテンツ事業者は「認定」を受けることになったが、特例的に既存の地上放送局の場合は、ハード免許があれば自動的に放送番組の供給もできる従来の仕組みが認められることになった。 新放送法による再免許申請  改正された放送法は、2011年6月30日に完全施行されたが、放送における安全・信頼性の確保が新たに義務付けられ、放送の中断や停波事故等の再発防止に関する設備の維持や、重大事故が発生した場合の報告に係る規定が整備された。 2011年3月11日に発生した東日本大震災の直後でもあり、具体的な放送の安全・信頼性の確保対策が問われることとなった。2013年、地上デジタル放送切りかえ後、最初の放送局一斉再免許申請において、災害対策が技術基準審査の対象となった。 この再免許申請は、これまでのような事務的な再免許申請と異なり、放送ネットワークや放送設備の二重化や、基幹放送業務を維持するに足りる技術的能力などが求められた。また、基幹放送事業者の果たす使命として、大災害の後でも放送事業が継続できるようBCP(事業継続計画)もチェックされた。 当社では、社長室が中心となって、既存の緊急事態マニュアルをBCPの観点から補強・改訂する作業にとりかかった。2013年5月、「第一部緊急事態対策要綱」「第二部巨大地震における事業継続計画」「第三部緊急編成報道マニュアル」「第四部原発事故取材ガイドブック」で構成する総ページ数134ページに及ぶ『事業継続計画』を作成し、その後、再免許申請で提出した。

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