南海放送50年史
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渡すること、さらに同年9月末をもってサンパーク施設営業を縮小する旨をはかり、了承された。本館サンホールとその付属施設であるレストラン、宴会場、会議室など。また、数寄屋別館、野外ステージの営業を10月以降休止する。美術館については畦地梅太郎画伯生誕百周年にちなみ、特別展を10月から年末まで開催したあと、運営について再検討を行う。運動ひろばとクラブハウスなどの付属施設は㈱愛媛フットボールクラブとの契約があり、利用を継続することになった。サンパーク施設営業の休止縮小について土居社長は「景気の低迷に加えて民放4局の系列化と競合が激化し、営業収入が低落している。さらに2006年末までに地上デジタルテレビ放送が開始されることになっており、過大な設備投資をともなう。経営体質の改革は急務となっており、赤字の続く文化事業部門の根本的な改革を急ぎたい」と述べた。これに対して「一私企業でもある南海放送が本町会館、サンパークを通じて地域に果たした役割はまことに素晴らしい。しかし、メディアはいま急激に変化しており、採算のとれない文化施設を維持することは困難だと思う」(森本惇伊予鉄道社長)などの発言があった。サンパーク美術館は2003年5月以降、土日、祝日のみの開館としたあと同年9月末をもって閉館し、サンパーク施設営業は1982年の開業以来21年6か月で休止、縮小された。わが社は長く営業年度を9月末決算としてきたが、この年10月から始まる第72期事業年度から民放他社にあわせて3月決算に改めることになった。他社との経営内容の比較がしやすい。このため、第72期事業年度は2002年10月1日から2003年3月末までの変則的な6か月決算となったが、この機会に財務内容の一層の健全化を進めるため、総務局を中心に資産の収益性について再検討を行った。その結果、収益を上げる見込みがないと判断されたサンパーク本館、数寄屋別館、野外ス289第2節 新時代への挑戦

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