南海放送50年史
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最初の重要課題は、デジタル親局(松山局)の建設位置および親局への番組送受信地点、さらに県下中継局との送受信ネットワークルートの決定である。南海放送は、1958(昭和33)年12月のテレビジョン放送開始以来、松山城長者ヶ平にNHKと共同建設したテレビ塔から放送を行ってきた。この鉄塔には南海放送、NHK総合テレビ、NHK教育テレビの他、NHK-FM放送の送信設備が架けられており、新たにデジタル放送の設備を置くことは耐久能力の点で無理と判断された。また、この地域は国指定の史跡となっているため、周辺工事にも厳しい制限がある。わが社は早くからデジタル放送時代の到来を予測して、伊予市大平の行道山山頂(標高366メートル)に鉄塔敷地を用意していたが、その隣接地に伊予テレビ(現あいテレビ)・愛媛朝日テレビが鉄塔を建設したため、事実上、この土地に鉄塔建設はできなくなった。伊予テレビ側からは現用の鉄塔を南海放送が共同利用することで解決したいとの提案をうけたが、数度の話し合いでも鉄塔使用料の点などで折り合いがつかなかった。折衝が長引くまま、NHKとの新しい鉄塔共同建設案について検討した。その結果、用地取得費、取付け道路建設費、鉄塔建設費などの初期投資負担(NHK2、南海放送1の比率による)と半永久的な賃借料を比較すれば、新しい鉄塔建設の方がかえって節減になるとの結論に達した。デジタル戦略会議は常務会にNHKとの鉄塔共同建設案を答申し、承認された。2003(平成15)年5月、NHK・南海放送の間で共同建設に関する覚書が交換された。1956(昭和31)年の城山テレビ塔の共同建設以来48年ぶりである。275第1節 地上デジタル放送の幕開け行道山のアンテナ建設予定地・右側の山上

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