南海放送50年史
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HIVと人権情報センター四国支部の協力、厚生省、文部省、エイズ予防財団、愛媛県など30を超える機関、団体の支援が得られた。翌年の2月28日まで4か月にわたってキャンペーンを展開した。この間、HIV感染者の人権を守り、エイズと性に関する正しい知識を啓蒙しようと提言スポットやワイド番組のQ&Aコーナーで啓発するとともに、12月23日に松山市社会福祉センターでフォーラムを開催。成人の日、バレンタインデーなどにエイズ特集を放送した。さらに、小中高校の協力で各校の放送部が収録した児童、生徒の声もシリーズで放送した。このキャンペーンは1999年度連盟賞ラジオ放送活動部門で優秀賞を受賞した。偏見を持たれているエイズを正面から見据えた南海放送の放送活動は、県民と一体となった先進的な取り組みとして、県の保健衛生行政を側面から支援する形になった。愛媛県は、経済労働部を中心にFAZ(フォーリン・アクセス・ゾーン)構想を打ち出し、環太平洋地域(中国・豪州)との経済交流を進めていた。1999(平成11)年6月、中国・大連市が愛媛の有力放送局との文化交流を希望していると経済労働部商工流通課から南海放送のラジオ局に打診があった。大連市人民対外友好協会呂萬山会長からの打診の内容は、1925年に日本軍により設立された大連放送局を前身とする、大連市広播電視局との友好ラジオ局縁組である。大連市は翌2000年に市制100周年を迎える。県内企業の活動支援、文化交流、番組の共同制作など、初めての試みに課題も多かったが、提案の受入れが決定された。事前折衝のため、10月13日、愛媛県が派遣する経済交流使節団に同行する形で、ラジオ業務部副部長田中和彦が、土居俊夫社長の親書を携えて訪中、大連市の交流担当徐頴氏ら幹大連市ラジオ局との友好協定259第3節 文化遺産の継承

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