南海放送50年史
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第5章 民放4局化時代1991(平成3)年9月27日、大型台風19号は午後4時過ぎ、長崎県佐世保市に上陸、九州北部から山陰沖へぬけて西日本一帯は暴風圏に入った。愛媛県下は暴風雨が吹き荒れた。松山地方気象台は午後3時、南予地方に暴風波浪警報、東中予地方に暴風波浪大雨洪水警報を発表し、宇和島では午後7時35分、最大瞬間風速37.7メートル、松山でも35.8メートルという過去百年間で3番目の暴風を記録した。この夜、報道制作本部は台風襲来にそなえて台風情報速報体制を敷いた。午後10時過ぎ、高浜観光港の状態を取材のつもりで出発した報道クルーから、途中の三津商店街が浸水しているとの報告が入った。松山市三津住吉町では、宮前川の増水と満潮時がかさなり、濁流が商店街にあふれた。伊予鉄高浜駅前の飲食店と民家は岸壁を越えた高波に襲われ、無残に浸水、倒壊した。「そちらの状況はどうなんだ?」報道デスクの緊迫した声に携帯電話をにぎる入社3年目の小倉健嗣記者の手がふるえた。「たいへんな被害です。とても言葉になりません」。SNGカーがただちに出動した。『ニュースファイナル』で三津商店街の浸水被害の状況を速報、『きょうの出来事』では高浜駅前の被害状況を現場からの中継映像で伝えた。テレビは引き続き午前0時57分から1時10分まで三津商店街、高浜地区の被害状況、宇和島・八幡浜・今治・新居浜4支局から愛媛県下の被害状況をリポートした。ラジオもまた「大学受験講座」の放送を変更し、午前0時40分から1時まで高浜駅前からキャピイレポートで被害状況を台風19号、全県下に猛威第3節あいつぐ自然災害206浸水被害にあった松山三津浜商店街中島町怒和島の防波堤被害

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