南海放送50年史
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放送の接点に立っている。新聞の表現をまねるのではなく自分の言葉で平易にニュースを伝えることが大切だ」と繰り返し説いた。さらにまた「少なくとも5時半からは、視聴者の皆さんの声を聞きながら進行する双方向のニュース作りを徹底しよう」として電話の活用を提案した。午後1時20分、同3時55分に5時半からの番組のリード役となる短いニュース枠を新設した。「視聴率が欲しい。やわらかダネばかりがニーズではあるまい」を口癖にしてスタッフたちに意識転換と実践を求めた。消費税3%実施前夜の3月31日は、松山市湊町から商店主、買物客たちの声を生中継。新居浜支局からは中小下請け経営者が新税対策の苦心を語った。宇和島の南予支局からは農漁業者の不安に満ちた声を記者リポートでまとめ、前半30分のほとんどを消費税問題にあてた。手ごたえがあった。「どうする政局の混迷」のテーマでは前日の特集予告に続き、放送当日には午後2時から意見参加を呼びかけて午後6時半まで5台の特設電話で視聴者の声を受け付けた。その件数は94件、特集テーマの放送中には電話がかからないほどの意見が寄せられた。「松山競輪場移転問題」では堀之内公園再開発問題とからみ、10台の受付電話が鳴りっぱなしになり、地域のあり方に対する市民の関心が大きな反響となってかえってきた。「視聴者はわれわれの番組を見てくれている。そして支持してくれている」…双方向ニュースの企画に取り組んだ篠原修副本部長ほか報道情報センター要員すべての実感だった。5%前後の視聴率がじりじりと上向きはじめ、2年後には10%に手の届くところまで伸びてきた。土曜日にも『なんかいNEWS530』を新設した。キャスターには松山大学経営学部教授中山勝己氏が起用された。マーケティング学者としての幅広い見識にくわえて、英語で話しかけられた体験を持つというほどのスマートなルックスとソフトな語り口。わが社が社外から招いた初めてのニュースキャスターの登場である。読売新聞「この人に聞く」欄は181第4節 昭和から平成へ松山大学中山勝己教授「どうする政局の混迷」の電話コーナー

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