南海放送50年史
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畦地文庫、和風喫茶が設けられ、2階には第2展示室、作品収蔵庫が配置された。特徴は、自然エネルギーを利用した“体蓄熱冷暖房装置”を採用していることで、室内温度は自動制御される仕組みになっている。この美術館の建設や事務所の移動に伴い、サンパークの正面入り口は北側から駐車場に面した東側に変更された。こうして、情報発信基地としての放送会館新館とサンパーク美術館が同時にオープンした。地域のニュース報道・番組制作の拠点となる放送会館新館、地域色ゆたかなやさしい美の空間としての畦地梅太郎記念美術館の完成は、創立35周年を迎えた南海放送のさらなる発展を印象づけるものとなった。なお、体蓄熱冷暖房装置を採用しているサンパーク美術館は、1992(平成4)年2月19日、建築物として優れ、かつ省エネ効果にも優れた建物を表彰する建設省エネルギー賞の建設大臣賞に選ばれ表彰された。放送番組及びCM等の制作にはレコード、CDなどの音楽情報が不可欠である。南海放送のレコードライブラリーは、創立以来およそ10万曲にのぼるレコードを、「五十音順カード検索」で管理してきた。音楽を使用する制作担当者は、選曲を急ぐ生放送のときも、カードをめくりながら、レコード保管ラックの間を走り回った。1986(昭和61)年、音楽出版業界はデジタル方式のCD(compact-disc)を本格的に発売、旧来のSP、EP、LPなどアナログレコードのシェアを逆転した。更に1988年には、直径8センチのシングルCDが発売されるに及び、レコード生産は激減した。各放送局でもCDサイズに合わせた音源管理方法の改善がなされ、オフィスコンピュータと連動したレコード検索システム「オーロラ」162第4章 ローカルワイドの時代オーロラ検索システム

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