南海放送50年史
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センチの箱を載せ県内を走りまわった。当時の民放ラジオの統一キャンペーン「瞳を閉じれば見えてくる」という主旨に沿った企画だった。仕掛けは簡単で、箱の中に何が入っているか、わずかなヒントで当ててもらう趣向である。1回目の正解は「山下泰則アナウンサーの名刺」であったが、話題を誘い、はがき3,300通の応募があった。この『ラジオびっくりBOX』はこれ以降機会をとらえて登場させリスナーの話題をさらった。ラジオのトーク番組から『えひめの紳士録~21世紀を創る人々』3冊が出版された。1989(平成元)年の秋編成からスタートした自社制作の生ワイド番組『まどんな倶楽部』(午後7時~9時)のコーナー「えひめの紳士録」を採録編集して活字化したものである。登場したゲスト78人に達した。毎週水曜日の夜、永江孝子アナウンサーが、愛媛の企業人を訪ね収録してきた声を紹介した。内容は生い立ち、創業時の苦労、転換期を迎えた経営課題、社員教育、経営哲学から私生活の趣味などまでにおよんだ。この番組への反響は小さくなかった。三浦工業会長三浦保氏は成熟したボイラー産業の活路として、ボイラーに電話線を接続し、常時コンディションを監視する情報システムサービスを開発した。ユニチャームの高原慶一朗社長は「企業は人間集団としての美学が必要」と語るなど、トップ経営者の話はいずれも聞きごたえがあった。このトークシリーズの本は、ふるさとでの就職を希望する学生に簡便な企業ガイドとして重宝されたという。また番組の手ごたえは、若年層対象とも成人層対象ともどっちつかずの編成で決め手を欠いたAMラジオに活路を示すものとなった。現在、日曜日の朝9時15分から放送中のインタビュー番組『週刊ガンバルジン』に受け継がれ、好評を得ている。『えひめの紳士録』刊行158第4章 ローカルワイドの時代県立とべ動物園・山崎園長も参加して3冊に分けて出版された『えひめの紳士録』

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