南海放送50年史
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た。このスタジオはテレビマスターからカメラをリモートコントロールで操作することができた。さっそく4月3日から、夕方の『南海放送ニュース』でキャスターを登場させることになった。キャスターは月・火・水曜日に、アナウンサーの橋本聡一郎、木・金・土曜日には、記者の香川邦夫が起用された。ニュースはステーションブレークをなくすなどして2分間拡大し、正味11分ニュースとした。テレビニュースに欠けているといわれる、解説的な要素を強化するとともにクロマキー用ルミスコープスクリーンを設置し映像にも変化を持たせた。内容も生放送を考慮し柔軟性を持たせた。柔軟な番組構成を示すエピソードがある。夕方ニュースの直前に松山市内のスーパーマーケットから「間違ってフグの肝をお客さんに渡したので、食べないよう放送して欲しい」との電話があった。担当の香川記者は予定原稿を取りやめ、11分間のニュース時間中、繰り返し「フグの肝を食べないこと。近所や親戚の人にこのことを伝えてください」と呼びかけ続けた。結果、フグを購入した女性に、このニュースを見た人から電話が入り、事なきをえた。予定していた8本のニュースは全部取りやめになったが、貴重な人命を救うことができた。ニューススタジオでは5月8日から、主婦向けのインフォメーション番組『RNBサロン・奥さまと15分』(月~土・午前11時45分~12時)を開始した。自社制作番組において、ニュース以外でベルト編成されたのはこれが初めてである。12月からは開始時間を5分早め『奥さまと20分』となった。1969(昭和44)年12月9日、新しい報道番組『RNBニューススタジオ』(火曜日・午後5時~5時30分)をスタートさせた。この『RNBニューススタジオ』によって、日常の報道活ミカンキャンペーンと愛大医学部への提言85第3節 創立15周年 民放2局時代RNBサロン・奥さまと20分

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